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店舗型起業を考えている人のチェックすべきその1

☝️TPOSが分かれば立地がわかる

 今回のテーマは店舗型で起業を考えている人たちを対象にしたテーマ。

 なぜこの記事を書こうと思ったか?

仕事柄、いろんな店舗型の調査に行くことが多いのだが、大手チェーン組は知っているが、個人事業主店のお店の多くが、出店後苦労の末に閉店に追い込まれているケースが多々見受けられるのだ。

 このTPOSを調べなかったためにそこで頑張っても続かんよというお店が多い。

 

 最近、高級パン屋の人が商品の売れ残りを、自動車で販売して回ってるということを知人に聞いた。一時期のブームに乗って、高級パン屋に挑戦したとのことだ。

1.5斤の食パンを1000円で売っているのだ。

 

メディアの情報に騙された被害者とも言える。

冷静になって考えてみれば分かるのだが、1000円の食パンを毎日食べるような人達はどこにいるの?ということだ。

 

 読んでるみなさんはどうだろう?毎日、1000円の食パンを買い続けられるだろうか?おいしかったとしても。

 

 一般的なサラリーマン家庭なら無理だろう。ま、有名芸能人やよく高級焼肉屋や高級ラーメンを勧めているインフルエンサー的な人なら、毎日食えるかもしれないし、買うかもしれない。

 

 通常の感覚でこんなパンを買うなら、誰かにプレゼントかたまの贅沢としてのご褒美とか、めっちゃパン好きという事だから毎日ではないけど月1回くらいは買うということではなかろうか?どうでしょう?

 

 お金持ちの人は、そんなの貧乏人の感覚だろうというかもしれませんね(笑)

 

 ま、事業所数の99.7%は中小企業であり、その企業群が7割の雇用を支えていると考えると、約7割の人は普通の人なのだ。たとえ大企業にいたとしても、末端社員を含めれば、労働市場8〜9割は毎日1000円の食パンを買い続ける人はいないのだ。

 

 それなのに、その高級食パン屋さんの店舗は、普通にサラーリーマンの暮らす住宅街で、地図上で見れば、商圏人口は10万人は見込めそうな立地だけど、立体的に見ると1万人もいない立地なのだ。(これは地図で見る時の立地をロケーションと言い、実際に現地を見た時のサイトとは商圏人口は異なる)

 

 もし、この食パン屋さんがTPOSをわかっていれば、このような立地に出店しなかっただろうし、高級食パン屋さんをやろうとは思わなかっだろう。

 

 こういう系の失敗を犯す店舗型起業に多いのは、サロン、美容業、飲食、高級ブティック、ファッション系などに多い。イメージ優先で出店してしまうケースだ。

 

 特に、こういう系のオーナーは、腕がいいとか美味しければ、センスがいいなど感覚的な要素で商売を選んでいるケースが多い。(客はほぼわからんことにこだわっている)

 

 たとえば、彼らの主張通りであれば、高くても客は来るだろう。

実際は、閑古鳥が泣くということになる。高級食パン屋さんが、閉店してから車で移動販売しているのがその証拠だ。ほんとに売れるなら、移動販売しなくてもいいからね。

 

 (ベーカリー店を指導した時に経験したのは、ベーカリーはその売れ残ったものは全て捨てなければならないということだ。ロス率は10〜20%は当たり前の世界なのだ。

 しかも、仕込みから焼いて出すまでの時間で労働時間は8時間を超えているのだ、閉店までいれば15時間以上は平均的に働いている世界・・・美容室も一緒だ。こういう世界は徒弟制度的な観衆が色濃く残っているので、残業代や社保などの完備もない世界、労働搾取の世界なのだ。業界慣習上当たり前と考えているオーナーが実態。ここまでは余談だけど。)

 

 もし、このオーナーがTPOSをわかっていれば、今の立地には出店しなかっただろう。もしくは高級食パンは扱わなかったはずだ。

 

 Tとはタイム。いつということだ

 Pとは場所。どこで買う、使う、食べる

 Oとはどんな機会に、買ったり、使ったり、食べたりするの?

 Sはスタイル。どんなライフスタイルでということだ。

 

 食パンは、通常毎日の朝食を、自宅で、通勤通学前に、軽く早く済ませる食べ物。という子になるだろう、一般的な家庭なら。

 そんな食パンは、スーパーマーケットせ売られている100円前後のパンが主流でしょう。

 

 1000円の高級食パンはどんな時に買うの、食べるのということだ。

 

 普通のサラリーマンなら、たまの出張で、たまたま寄ったデパ地下で、同僚や家族のお土産として買うのではないだろうか?

 

 そうすると、このパン屋の出店先は、デパートになる。もしくはデパートに似通った立地、大型商業集積のある駅構内、もしくは大手企業の大型ショッピングモールなどだ。

 

 デーパートの商圏人口は約100万人。

 大型ショッピングモールだと約50万人。

 大型商業集積型の駅なら流動人口が何十何百万の人が動く。

 そういうところなら、1000円の食パンも売れる確率は高くなる。

 ただ、家賃はびっくりするほど高いし、その他の手数料もバカ高いけどね。

 初期投資の段階で普通は諦めるような立地になる。

 でも妥協して、安い立地に出店しても、そこには毎日そこで暮らしを営む人しか住んでいないないのだ。普通の人たちの暮らしに1000円の食パンは、たまの贅沢でしかない。

 

 このオーナーの選択の間違いは、1000円の高級食パンを売る立地を間違えた。

もしくは、立地に合わない価格の選択をしてしまった。ということになる。

 

 今、「高級品」が売れる!

 高くてもいいものが売れる!

 海外で日本のラーメンは2000円以上で売れているから、日本のラーメンは高くすべき!

 

 なんて言ってる著名人の話を鵜呑みすると大失敗します。世の中普通の人たちが8割なんですよ。いや9割かもしれん!それなのに、高級品が売れるという著名人のいう事を信じてはいけません。だって彼らは金持ちで、非日常の中で生活している人なんです。芸能人も、〇〇モンさんも。モンさんは、日常の人々をバカとかオワコンとか言っている人だし、暮らし方も多分飛び抜けた生活している人ですから。

 

 チェックすべきことはまずは、いつ、どこで、どんな時に、どんなら生活シーンで、使うの買うの食べるの、あなたの考えている商品やサービスを。冷静に考えた、立地を選びましょう。

 

 店舗型商売は、立地の影響が8割です。選択を間違えたら8割失敗するということです。

 

TPOSから自分が起業したいビジネスを冷静に捉えましょう!